訪問看護ステーション経営の真実

生き残る事業所と淘汰される事業所の分かれ道
開業ブームの裏にある“静かな選別”
2025年に向けて、訪問看護ステーションの新規開業は加速しています。医療依存度の高い在宅ニーズ、地域包括ケアの推進、高齢化の進展——それらは訪問看護の需要を確実に押し上げています。しかし、ブームの裏で起きていることは、むしろ“生き残り競争”の激化です。
実際、2022年以降のデータを見ても、新規開設後3年以内に撤退・統合を余儀なくされるステーションは少なくありません。なぜでしょうか?その答えは「経営視点の欠如」と「持続可能なマネジメント設計の不在」にあります。
看護師の採用ではなく、離脱をどう防ぐか
訪問看護の成功を語る際、多くの経営者がまず「看護師採用の難しさ」を挙げます。確かにそれは重要ですが、「採用の先」にある構造が欠けていることが、倒れる事業所の共通点です。
訪問看護は病院と違い、スタッフが“孤独になりやすい”仕事です。独りでの訪問、緊急対応、書類業務、そして人間関係の希薄さ。だからこそ、エリア特性や人間関係を加味した“マネジメント設計”が必要不可欠なのです。
たとえば、ケアーズグループが全国1000拠点を支援できているのは、採用や収益化ノウハウだけでなく、「離職を防ぐしくみ」を構造化しているからです。人材の安定なくして、訪問看護の継続はあり得ません。
月商1000万円ステーションの裏にある“設計思想”
月商1000万円という数字を“唯一の目標”にしてしまうと、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。高収益を実現している事業所は例外なく、「働き方」「導線設計」「エリア選定」「看護師への裁量」の4つを徹底的に設計しています。
働き方の柔軟性:週4勤務、子育て配慮、直行直帰体制など、定着率を上げる工夫。
導線設計:訪問範囲を絞り、無駄な移動を減らす。
エリア選定:病院との連携が取りやすく、かつ競合が過剰でない地域を選ぶ。
裁量の付与:看護師が「ただの実働要員」にならず、自己判断や提案ができる体制。
これらを同時に設計できるかどうかが、“収益と継続”の分水嶺なのです。
理念と利益の両立に必要な「第三者視点」
訪問看護ステーションを開業する動機は多くの場合、理念や志です。しかし、現場が始まると、帳簿とスケジュールとクレーム対応の狭間で、理念が見えなくなる。これが多くの事業所が陥る“内部迷走”の正体です。
この状況を打開するために有効なのが、外部スーパーバイザーの存在です。たとえば4xでは、エリア特性に応じた戦略設計から、SEO対策、MEO(地図検索最適化)、SNS運用、Googleレビュー戦略、さらにAIを活用したオートメーション(AIO)による集客・運営支援までを一貫して提供しています。
理念と利益は対立しません。両立させるには、経営者自身が“現場から一段上”の視点に立ち、全体設計を再考する必要があります。そこに第三者の視点が加わることで、盲点が見えてくるのです。
2025年、“勝ち残る”ステーションの条件とは?
2025年、訪問看護は「勝者総取り」の時代に突入します。なぜなら、地域の連携構造や患者紹介の流れは、一度固定されると変えにくくなるからです。つまり、今「勝ちパターン」を築けるかが命運を分けるのです。
勝ち残るためのチェックポイントは以下の通りです:
・ 看護師に“守られている感覚”を提供しているか?
・ 利益モデルが個人技に依存していないか?
・スタッフの紹介・連携導線が意識的に設計されているか?
・競合他社との違いが1秒で説明できるか?
これらを“仕組み”として設計できる事業所だけが、2025年以降も残ることができるでしょう。
成功するステーションは“現場”にある
訪問看護ステーションの経営で生き残るために、まず取り組むべきは「正しい設計を学ぶ」こと。そして、その第一歩は、実際に成功しているステーションの“現場”を見て、感じて、理解することです。
採用、定着、運営、収益、地域連携、スタッフ満足——これらすべてを“数字と構造”で語れる現場には、教科書には載らないリアルなヒントがあります。
理想を掲げるだけでなく、それを形にしている現場には必ず「見える違い」があるものです。
まずはそこを訪れ、目で見て、肌で感じ、自身のステーションに何が足りないのかを知る。
それこそが、真に“志を構造に変える”ための入口であり、経営成功への確かな第一歩です。